堺市の変人

堺市から情報を発信する変人親父です

スキーの「エアリアル」

昨日に続いてオリンピック選手の話です。

 

フリースタイルスキーと言えば日本では「モーグル」が有名です。

他にもいくつか競技がありますが、中でも一番危険度が高い競技に「エアリアル」という競技です。

長さ160cm程度のスキー板をはいて空中に飛び上がり、宙返りをして着地するまでの短い競技(Wikipediaより)、1994年に開催されたリレハンメルから五輪に取り入れられているようです。

 

先日この競技のオーストラリアの女子選手に密着したドキュメンタリーを見ました。

彼女の名前は「リディア・ラッシラ」、彼女は元体操選手でしたが、オーストラリアのタレント発掘プロジェクトで2000年にエアリアルに転向し2006年にトリノオリンピックの金メダル候補としてオーストラリア代表に選ばれました。

しかし、オリンピック前に膝の靭帯断裂の故障を起こした後50日程度で復帰しての挑戦でしたが、オリンピック本番でも競技中に靭帯断裂しリタイアしたそうです。

 

しかし、彼女は怪我に負けていませんでした。「もう二番手に甘んじるのは嫌」と猛烈なトレーニングで巻き返します。

そして、2010年バンクーバーオリンピックでは見事金メダルを獲得します。

 

普通の物語はこれで終わるのですが、彼女はオリンピックの金メダルに甘んじる事無く次の目標に向かって行きます。

それは、未だ女子では飛んだことのない「三回転+四ひねり」の大技!

その技を大舞台で披露するため以前よりもっと過酷なトレーニングに励みます。(しかも彼女は一児の母)

 

そして迎えたソチオリンピック、最後のジャンプで彼女は目標の大技に挑戦しましたが、着地で転んでしまって銅メダルに甘んじてしまいます。

もしかしたらもう少し難度の低い技を選んでいたらメダルの色は違ったのかもしれない・・・、にもかかわらず彼女は大技を選びました、これについては賛否両論あったようです。

国の代表として参加しておきながら、自分のやりたい事を重視した訳ですから叩かれても仕方ない部分はあったのかもしれませんが、そこに至るまでの彼女の努力は並々ならぬものが有ったと思います。

 

滑り出してから着地するまで一分かかるかかからないかの短い競技、

その数分のために15年かけて身体を鍛え大技に臨む、

 

以前「グレートレース」について書いたことがありますが、彼女はまさに15年に渡ってグレートレースをしているのです。

 

先日開催された平昌オリンピック、リディア・ラッシラはオーストラリア選手として出場するようです、今からどんな演技をするのか楽しみで仕方がありません。

女子で前人未到の「三回転+四ひねり」に果敢に挑戦する姿が見られるかも知れません。

 

気を揉んでしまうオッサンでした。[