衛星中継のような「犬」
またまた、預り犬の話です。
推定12歳、雌の黒柴ですが目も少し白内障になりかけていて耳も少し遠いような気がします。
でも食欲は旺盛ですし、散歩も大好きでしっかり歩きます。
しかし高齢ということでなかなか里親さんが見つからず約4ヶ月我が家に滞在しています。
彼女は大変おとなしく、吠えることもめったにありません。
一日のほとんどを自分の小屋(リビングに置いてあるバリケン)で寝て過ごしていますが、時々小屋から出て水を飲みに行ったりする時に名前を呼ぶと、じっと私のほうを見た後お座りし、またまた、しばらくじーーーーーっと私のほうを見ています。
「なんだ来ないのか・・・」と諦めかけた頃にのそっと腰をあげて私のほうにゆっくり歩いてきます。それはまるでテレビの衛星中継のようなタイムラグです。
まるで、私の声が届くのに時間がかかっているようです。
いつもこんな調子なので「耳が遠いから仕方ないよ」と家内は言いますが、家内がオヤツをあげるために名前を呼ぶ時はものすごく反応が早い!ということに最近になって気が付きました。
本当はちゃんと聞こえているのに知らん顔をしていたようです。
そういえば、家内が家に居る時にはよく小屋から出て来てリビングで寛いでいます。
私は犬にオヤツを絶対与えませんが、家内はよくオヤツを与えているからでしょう。
「もしかしたら貰えるかも・・・」という期待からか、よく家内の横で座っています。
今も、預り犬の名を呼んでも「ジッ」と此方を見ているだけで反応がありません!
仕方が無いので我が家の凡犬を呼んで頭を撫ででいると、「トコトコ」と或るいて来て撫でろと言わんばかりに頭を凡犬の横に並べてじっと座っています。
こんな打算的な犬ですが、小屋から出てリビングで寛げるようになるのに二ヶ月以上かかりました。
最初の二ヶ月は水も小屋に備え付けの水しか飲まず、散歩とご飯の時以外は小屋の外に出てくることもありませんでした。遅まきながらリビングで横になって寛ぐようになって来たスローテンポが持ち味の可愛い奴です。
全てが衛星中継のようにワンテンポ遅れますが、これが此のワンコの良い所かも知れません。
散歩の時にも、引っ張る事無く人のペースを気遣っています。「これでいいの?」とアイコンタクトを取ってくれています。
ゆっくりゆっくりマイペースで幸せを掴んで欲しいです。