堺市の変人

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「雨ニモマケズ」

宮沢賢治の「雨ニモマケズ」、これ程有名な詩は無いでしょう。

 

雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ 丈夫なカラダヲモチ・・・」で始まるこの詩は、何度読んでも心打たれるものが有ります。

「ヒデリノトキハナミダヲナガシ サムサノナツハオロオロアルキ ミンナニデクノボウトヨバレ・・・」

もう私の今日までの生き方が、まるで「汚い」ものであったかのように感じさせてくれます。

 

驚くことに賢治の詩は生前、全く評価されなかったようです。没後に草野心平らに見出されたとのことですが、下手をすれば今でも人々に知られないままになっていたかも知れません。

 

棟方志功もこの詩が気に入っていたようで「雨ニモマケズ」と題した板画(版画)を制作していますが、ノミで彫った一文字一文字が素朴で、この詩のイメージと絶妙にマッチしています。

筆も良いかも知れませんが、下手くそに見えるような字体の方が似合うような気がします。

 

岩手県花巻市出身の彼は、後年、日蓮宗に改宗し花巻市の身照寺に葬られているようですが、一度は訪れてみたいと思います。

 

「自然の美しさ」や「愛」、人の「心のうつろい」・・・人々は多くの物を見それを詩にして来ました。有名な詩も多々ありますが、私には、飾りのない人間の弱さと強さをこれほどまでに朴訥と表現した詩は他に無いような気がします。

 

読む度に「大切な物」を痛感させられます。