堺市の変人

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姜建華の二胡

二胡は、中国の楽器で起源は唐代に遡るようですので、1,300年の歴史のある伝統的な楽器です。

現代の楽器と比べ、古楽器は一般的に音が素朴で聴いていても「懐かしさ」を感じるのは、日本の琴や和太鼓と通ずるものがあります。

ピアノやオルガンでも、チェンバロやパイプオルガンの方が単純で素朴さを感じるのと同じようなものかも知れません。

 

二胡の演奏で印象に残っているのは、姜建華(ジャン・ジェンホワ)の演奏する「北の国から」(CDのタイトルは「故郷熱情」ビクター)、日本の曲と中国の古楽器の組み合わせですが、「これでもか!」と情感が伝わって来ます。

さだまさしのテーマ曲が流れる「北の国から」は、国民的ブームを起こした名作ドラマです。私なんかも田中邦衛の演技に共感しました。(ただし、全編は観ていません。)

 

ドラマ自体が北の厳しい自然の中で一途に生きる家族の成長を綴ったものですが、中国の楽器がこれ程にも物語の情感を切々と奏でる事に驚きました。

北の国から」の演奏のベスト3に入れてもよいのでは?

心の底から感じ入ってしまいました。

 

姜建華は、中国上海市生まれ、10歳の時から二胡を学び20歳にして中国全国器楽コンクールで1等賞、北京中央音楽学園教授、群馬の創造学園教授と日本にも縁のある演奏家です。

 

指揮者の小澤征爾は、彼女の二胡を聴いて、「彼女の演奏する二胡は、楽譜に書くのが不可能です。悲しい音楽の「ひだ」がうんと詰まっている。」と絶賛したそうですが、以来、小澤との関係で日本での演奏が増えたようです。

 

このCDには、12曲が収録されていますが、明るい西洋的な曲よりも「鳥の歌」(カタロニア民謡)ような曲の方が二胡には合っているような気がします。