マスネ「タイスの瞑想曲」
ヴァイオリンでおなじみの「タイスの瞑想曲」
葉加瀬太郎、アンネ・ソフィー・ムタ―やチェロのヨ―ヨ―・マ~の演奏が有りますが、私は、前橋汀子の演奏がお気に入りです。
演奏を聞くたびに「うーん」上手いなと感心させられます。テクニックを越えて情感が深く豊かにヴァイオリンが鳴っていると、ついつい奏者の事を忘れて聴きこんでしまいます。
葉加瀬太郎も世界的奏者のムタ―やヨーヨー・マ~も、私にはテクニックが耳に付いてしまいますが、前橋の演奏は「体を清めてステージに立っているのかな?」思うくらいの没入感があります。彼女の演奏は、類稀な情感の表現に満ちています。
ハイフェッツの一見冷徹とも言われる演奏とは対極的な気がします。
宗教色の濃いこの曲は、オペラ「タイス」の中で演奏される5~6分の曲ですが、ヴァイオリンがこれ程に表現力のある楽器だと改めて感じさせる演奏です。
CBSソニーの「チゴイネルワイゼン」(CD)に収録されていますが、日本人がこれ程の演奏を残しているのは気分の良い物です。それぞれの演奏は、ネットで試聴可です。