ドボルザークの「チェロ協奏曲」
ドボルザークの「チェロ協奏曲」は、交響曲第9番「新世界より」と並んで彼の代表作です。
アメリカ滞在中のドボルザークが、ボヘミア(チェコ)への深い望郷の念にかられ、ホームシックになった事は有名な話ですが、この「チェロ協奏曲」はそのさなかに書かれた物です。
チェロ協奏曲と言えばエルガ―作品が有名ですが、オーケストラの活躍するドボルザークの方がスケールが大きく私は好んで聴いています。
有名な作曲家のブラームスはこの曲を知って「人の手がこのような協奏曲を書きうることに、なぜ気付かなかったのだろう、気付いていれば、とっくに自分が書いただろう」言っているように、チェロというジャンルを越えて「協奏曲」最高傑作の一つと言われています。
彼がナイアガラの滝を訪れた時に、アメリカの大自然に圧倒されインスピレーション受けて第1楽章を書いたと言われていますが、以外にも第2楽章は、若い時の失恋?の思いが込められているようです。
故に、彼女が訃報を聞いたドボルザークは、既に完成していたこの曲の第3楽章を書き変えたという逸話の残っています。
演奏は、勿論デュ・プレ(ジャクリーヌ・デュ・プレ)!指揮は夫君バレンボィムです。彼女は、42歳で亡くなっていますので、僅か10年の現役演奏活動しか有りません。
故に「薄幸の天才チェリスト」と言ったところでしょうか?
しかし、彼女の演奏するチェロは別格です。オーケストラにも指揮者にも負けていません。圧倒的なパワーでチェロが鳴り響きます。
フルニエやカザルスも良いですが、一度、全身から音の出ているようなデュプレの演奏を聴いてみて下さい。