堺市の変人

堺市から情報を発信する変人親父です

味覚狩り

 私の実家には小さいながら庭があり、亡くなった父親の趣味で実のなる木が何種類か植わっています。

 父が亡くなった今、それらの収穫は私達夫婦の役目となっていますが、味覚狩りと言うと何を連想しますか?

 春なら「いちご」、秋なら「ぶどう」「なし」「みかん」・・・遠足などで体験された方も多いかと思います。

 私も職場のレクレーションでイチゴ狩りとみかん狩りに行ったことがありますが、新鮮で美味しい苺やみかんの食べ放題はとても楽しかった事を覚えています。

 しかし、実家の庭の木に生った実を収穫するのは味覚狩りの楽しさとは全く違い「苦行」の一言です。

 庭には「イチジク」「柿」「梅」の木がありますが、少し前は「梅」が最盛期でした。

 先日「梅」の実を採ってきましたが一本の木の梅の実を全部採りきるのはとても大変です。一般の「味覚狩り」は楽しい事の方が多いのですが、「梅」採りとなれば、長袖シャツ・帽子・首に巻くタオル・軍手は必需品!なぜなら、毛虫が這った後に毛が残っており、それらが落ちてきて身体に付くと後から湿疹状に赤くなり痒くなるのです。(実家の木は農薬等を使っていないので虫が沢山付きます。完全有機農法?)

 正直、梅など取りたくないのですが、義母が梅酒・梅酢・梅干などを毎年作るので「絶対取って来て」と厳命が下ります。去年なんかは、翌日に湿疹・痒みが出て家内は布団にダニが湧いたかと大騒ぎしました。

 そして梅の季節が終わってやれやれと思っていたらすぐに「イチジク」の季節です。

梅や柿はほぼ一度に食べ頃になるのでいいのですが「イチジク」はやっかいです。一度には赤く熟さないので3~4日おきに収穫しなくてなりません。大体一ケ月はそれが続きます。加えて収穫後の持ちも悪いのですぐ消費しなくてはなりません。

 家内は去年あたりから「イチジクのコンポート」を作っては大量のイチジクを年中食べられるように加工していまが、意外と人にあげても好評なようで、だいぶ調子に乗っているようです。

 「柿」は、ほぼ一度に収穫できるのですが、なにせ「渋柿」、採った後に焼酎で渋抜きしなければ食べられません。(干し柿にする技術を持っている人は渋抜きは不要です。)

 毎年一度は家中柿が入った袋だらけになります。柿とイチジクは量が多いので知り合いにもお裾分けするのですが加工するのが面倒な人には断られてしまいます。

 果物はとても美味しいもの、味覚狩りなどで自分が食べる分だけ取って食べる分にはとても楽しいものですが、一本の木全部を取り尽くすというのはとても大変なものなのだと父親が亡くなって初めて解ったオッサンでした。