堺市の変人

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2001年宇宙の旅

 名作の誉れ高い「2001年宇宙の旅」(1968年公開)が放映されていました。途中からだったので以前ダビングしていたDVDを探し出し再度観たのですが、やはりラストシーンは「解らんな!」という思いがしました。

 普通なら、詳しくは「小説」でというのが一般的ですが「2001年宇宙の旅」は、小説の出版が映画より後というのですから少し変わっています。当初は、本編に入いる前にストーリーの解説等が予定されていたようですが、キューブリックが全て削除してしまいました。「???」「未知」の部分を残したかったのかも知れません。

 141分の映画ですが、驚くことに台詞(セリフ)の無い部分が半分以上(80分弱)を占めています。オープニングとエンディィング部分なんかは、それぞれ20分以上が映像と音楽・効果音といった具合です。オープニングなんかは「猿」の「キャ キャ」という声が永延と続きます。否応なしに想像力が働きます。(当たっていなくとも!)

 しかし、50年前の映画とはいえ「映像」「音楽」「効果音」は特筆ものです。リヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」、ヨハン・シュトラウスの「美しく青きドナウ」(他の曲は?)が流れるシーンは音楽を聴いているだけでも堪能出来ます。観客が想像力を働かせて此の映画を完結させていくのかな?と思ってしまいました。

 キューブリックの想像をそのまま映像化したような映画ですが、今ではこのような映画は絶対に造れないような気がします。アメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録されているのも頷けます。

 1985年に続編の「2010年宇宙の旅」が公開されています。この映画の中で地球へ送られた「これらの世界は全てあなた方のもの ただしエウロパは除く エウロパへの着陸を試みてはならない 全ての世界を皆で利用するのだ 平和のうちに利用するのだ」とのメッセージにやっと溜飲が下がったような気がします。