堺市の変人

堺市から情報を発信する変人親父です

小さな大冒険

 実家の近くに「畝傍山」があります。標高が200㍍弱、麓から100㍍も登れば山頂ですから、散歩のついでにちょっと山頂までといった感覚で簡単に登れてしまいます。

 万葉集にも「香具山は畝火(うねび)ををしと 耳成(みみなし)と相あらそひき神代より かくにあるらし古昔(いにしへ)も然(しか)にあれこそ うつせみも嬬(つま)をあらそふらしき」と歌われている大和三山のひとつですが、私にとっては小さい頃の遊び場です。

 小学生の頃、悪ガキ仲間で初めてこの山に登った時は、ちょっとした探検家気分でした。子供の目には、私が今見ている畝傍山が10倍も大きな山に見えましたし、分岐が有れば片方は何処の世界に続いているかといった具合で小さな私達には「大冒険」でした。

 ほんの近くの森や村も、子供にとっては「トトロの国」を見に行くような好奇心の対象であったような気がします。

 ひょっとしたら、あの頃だったら「ドリトル先生」のように動物と話が出来たり、「まくろくろすけ」が見えたりしたかも?

 家の横に小屋を作り銀玉鉄砲で道行く人を討ったり、屋根に漫画を持って上がり基地を作ったりもしました。(勿論、こっぴどく怒られました。)

 携帯電話やゲーム機なんか無かった時代ですが、周りの自然や身近に有る物で楽しく遊んでいた時代が懐かしく思い出されます。

 子供たちが家に帰ってゲーム機なんかで遊んでいるのを見ると、少し寂しくなってしまいます。何かと便利な時代になりましたが、失ってしまった大切な物が有る様な気がします。