堺市の変人

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人生の光と影

 ジョニ・ミッチェルが1967年に発表した「青春の光と影(Both  Sides Now)」は、誰もが一度は耳にした事のある歌だと思います。でも、この曲がヒットした当時は思わぬ物議を呼んだようです。

 空に浮かんだ天使の髪のような美しい雲も、見方を変えれば太陽の光を遮り私の邪魔をするように人生にも「光」と「影」が有るというような歌詞を20代そこそこの小娘が歌ったのですから無理も有りません。ノーベル平和賞を受賞したマララさんのスピーチを聞いた時、私は17歳の少女が自分で原稿を書いたとは信じられなかったのと同じようなものだと思います。

 本家本元のJ・ミッチェルよりも私はジュディ・コリンズの声が好きです。J・ミッチェルの声は少し暗く感じますので、ストレートに歌詞の重みが伝わって来てしまいます。一方、J・コリンズはBGMで聞いても適当に聞き流せるような軽さの中に情感が含まれているといった感じです。ヘイリーは美しすぎてちょっと?ブラザーズフォアでは悪(あく)が無さ過ぎます。この歌は「影」をどのように表現するかがポイントのようです。

 最近は、月に1~2回お袋の顔を見に行ったり親戚のお見舞いで、老人施設に行く機会がありますが、入所されている人々を観ていると明日の自分の将来を見ているようで神妙な気持ちになります。「人生の光と影」を否応なしに感じてしまいます。

 若いころは「楽しさ」ばかりを追いかけていたような気がしますが、さすがに還暦を過ぎると人生の「影」としっかり向き合わなければと考えてしまいます。

 空が綺麗であればある程「影」は濃く鮮明に私にくっ付いてきますが、草原に映る私の形をした「影」とも上手く付き合って行きたいものです。