日本の原発、袋小路に
日立製作所が英国で計画していた原子力発電所の建設事業中断のニュースが流れました。
これで、日本企業による海外での原発計画は「ゼロ」になるようです。
国内でも原発については、既存の施設の再稼働問題が訴訟にもなっています。それ程、人々は原子力に対して不安を抱いている証です。
2011年に福島第一発電所事故が発生しましたが、今日までの経緯を振り返ると、私達は原子力(放射能)を完全にコントロールする技術を持っていない事は明白です。
大規模な火山活動による地震が直撃した場合、再び大きな原発事故が発生しないと断言出来る人は居ません。
もしも、隕石なんかの直撃を受けたら一貫の終わりです。
そういう意味では、原発の新設や増設を行う事無く電力需要に応えていく道を模索する事が重要な課題のようです。
2011年に原発事故を挟んで、2010年の総電力に占める原子力発電の割合は、28.6%ですが、事故後の2012年には1.7%に低下しています。
日本は、原発の発電量が著しく低下しても、どうにか乗り切ってきました。
原発に頼らないでもどうにかいけそうな気がします。
私は、原発に対しては、どうしても手放しで賛同出来ませんが、その事よりも気になるのは、政府が2018年に決定したエネルギー基本計画で、原発への慎重論が強い世論を気にして建設的な議論を避けているように思える事です。
次のエネルギー計画の見直しが数年後と言われていますが、それまで日本は積極的に原発を新設するのか?しないのか?一番大事な部分が明確にならないままになっています。
電力供給という国民にとって重大な課題の方向性が無いというのも可笑しなものです。
「憲法改正」よりも私達の生活に直結した大問題です。
政権にとって都合の悪い事は、全て後回しとなっている気がします。
アマゾンギフト券が返礼品?
ふるさと納税の返礼品としてアマゾンのギフト券が使われていました。
静岡県の小山町がふるさと納税額の4割に相当するアマゾンギフト券を返礼品として提供していたというものです。
当然、総務省も主旨に反した過度な返礼品獲得競争にならないよう、納税額の3割以下、現金に近い商品券等は返礼品として送付しないよう平成29年4月に自治体に対し通知を出しています。
この事実を受け、石田総務大臣は、小山町の対応は総務省の通知に反しており、「遺憾としか申し上げようがなく、良識ある行動とは思えない。自分だけが良ければいいというのは、社会的にも大きな問題だ」と厳しく批判し、今後、通知を守っていない自治体に寄付しても税の優遇を受けられなくする法改正を目指すとしています。
小山町の良識を欠く返礼品に対する総務省の対応は、極めて常識的なもので何ら違和感を感じるものではありません。
金銭に類似するもので、それも納税額の4割以上といった事が横行すると、ふるさと納税制度そのものの存続が問われる事にもなりかねません。
ただ、小山町は人口2万人足らずの小さな町です。
小山町の行為は決して良いとはいいませんが、これ程大騒ぎする事でも?
といった思いがしてなりません。総務省が指導し、是正すれば良い事です。
もし私が小山町の人間だったら、もし町の財政が困窮状態なら、もし町民のためになるなら・・・(内情は分かりませんし、決して良い事だとは思っていません!)
私は、政令指定都市にすんでいます。人口も80万人を越えています。
総務大臣の「自分だけ良ければいい」という極めて常識的な言葉は、他人事では無いようです。
堺市で現在進行中の近大病院の移転は、同じ府下の大阪狭山市を犠牲にして、「堺市だけが良ければいい」といった政策です。それも住民に内緒で都市公園の売却が決まってしまっています。
「おせち料理」
私は、「おせち」の中では「棒鱈と小芋、田作り」が大好物、ご飯と食べても美味しいし、酒の肴にもぴったりです。(一人前の事を言っていますが、そんなにお酒は飲めません)
今年は珍しく家内が「棒鱈」を炊いてくれました。義母の体調が悪かったので買ってきた棒鱈を丸投げされた形です。
初めての挑戦ですが、「丁寧に作ってみよう」と思ったらしく、ネットで色々調べていました。
柔らかく戻してあるのを買ってきましたで、後は煮るだけと軽く考えていましたが、柔らかく仕上げるためには下茹でをした後に味付けと大層時間が掛かったようです。(棒鱈は下茹ですると鱈の臭いが部屋中に充満します。)
家内は「こんなんやったら安請け合いするんや無かった!」とグチグチ言っていましたが、なんとか作りあげました。
手間を掛けて昆布と鰹節で取った出汁で味付けをしたせいか、家内が作ったにしては上品な感じに出来上がっていました。
何時も我が家では、「おせち料理」をは取り寄せています。(棒鱈、黒豆、田作りを除く)
今年の正月は、京都の料理屋さんのおせち料理を注文しました。
毎年、郵便局のカタログで注文しているのですが、今年は例年より5,000円アップと張り込んで頼んでいました。
京都の料理屋さんの「おせち」と言っても、実はあまり期待していませんでした。
「どうせ似たり寄ったりだろう」と思っていたのですが、入っていた棒鱈を食べて驚きました。甘ったるく無くとても上品な味付けでした。
「おせち」に入っている棒鱈は、甘みが前に出ているものが多いのですが、京都の「おせち」の棒鱈はしっかり出汁の味がしみ込んだ甘過ぎず、噛むほどに鱈の味わいが楽しめます。
「さすが京都の料理屋さん!」、残念ながら家内が作った棒鱈の煮つけより美味しかったです。
10月位からデパートに行くとおせち料理の予約が始まっています。
人気のお節は即日売り切れなども珍しくないとか・・・
お節は家庭で作るとなったら大変な作業ですので、最近は家庭で「おせち」を作る事も少なくなったようです。
核家庭化が進んで、お正月に親戚一同大勢集まってワイワイ酒を酌み交わすなどという事が少なくなっている現代では買ったほうが安くつくし効率的なのでしょう。
家内も、年末は仕事に追われ「おせち」を作っている時間が無いようです。
でも、「おせち料理」の無い正月なんかは考えられません。
新年の「おせち料理」、新年を祝うめでたい料理、見た目にも綺麗な料理、正月にしか味わえない料理・・・これからも大切にしたい日本の文化です。
私は作りませんが・・・
深まる日韓の溝
元徴用工訴訟を巡り、日韓関係がギクシャクしています。
日本の最高裁にあたる韓国の大法院が、1965年の日韓請求権協定に反するかのような新日鉄住金への賠償命令を確定させて以降、未だ問題解決への話し合いの場さえ設定出来ない状態に陥っています。
日韓基本条約に付随して交わされた日韓請求権協定は、国と国が正式に結んだ協約ですが、日本が有償・無償合わせて総額5億ドルを供与することなどで、日韓両国及び国民の間の請求権に関する問題が「完全かつ最終的に解決された」と明記しています。
これにより日本は、戦時中の韓国の国及び国民の日本対する請求権問題が解決したとの主張を行っています。
韓国国民が請求権を行使するのは、韓国政府に対して行うべきという事です。
片や韓国は、大法院が日本企業に対する賠償命令を確定した事からも分かるように、韓国政府から日本に対する請求権は協定により発生しないものの、一個人(韓国国民)が日本企業に請求権を行使する事は協定の範囲外としています。
私は、戦争行為における被害の補償という事については、いつまでも引きずる事無く、何処かで一定の整理をしていかなければ新しい時代に進んでいけないような気がします。
日本も戦時中、原子爆弾の投下も含めてアメリカの無差別爆撃による死者が20万とも100万人とも言われています。
戦敗国日本は、戦争犯罪ともいえる民間人を標的とした無差別爆撃の被害を求める立場では無かったとはいえ、戦後日米双方の被害の請求権については整理を行っています。
東京空襲の被害を米国(米企業)に請求するといった事は絶対にありません!
日米は、戦争という歴史的な惨事を乗り越えて新しい日米関係を築いてきた事は、歴史が証明しています。
これからの日韓関係を考えると、極東の安定(政治・経済・軍事)という観点からも、今まで以上の強固な同盟関係を築いて行く事が求められています。
本来なら米国が日韓の仲介に入り、問題解決に進んでいってもらいたいものですがトランプのアメリカが仲介に入るといった動きは無いようです。
日本は、あまり感情的にならずに淡々と譲れない部分を主張し事務的に手続きを進めていくのが得策のような気がします。
日本の政治家の中には強硬論を唱える人を居るようですが、一歩判断を間違えば今の米中貿易戦争のように泥滑にはまってしまいます。(国民の分断を煽り人気を保つ手法は「怒り」をパワーしていますが、「理性」による解決の方が社会は安定します。)
政府間の交渉・仲裁・国際司法裁判所への提訴等、冷静に事務的に進めていくべきです。
私は、日韓が隣人として今まで以上の強固な同盟関係鵜を築く事が出来ると信じています。
2017年の訪日外国人は、韓国からが700万人余りと国別では1位です。2位の中国が56万人ですが、韓国の人口が5000万人、中国が14億人ですので韓国での日本人気が窺われます。
韓国で最も行きたい旅行先№1も有り難い事に日本です。
戦時中の心痛む経験を乗り越え、世界(極東)の平和という観点からも両国のパートナーシップは最重要課題と言えます。
世界の最高峰の磁器「李朝白磁」は、「高麗青磁」と並び日本陶工の憧れとなっています。
この韓国の焼き物には「一度でも良いから観てみたい」と思わせる清楚さと気品がありますが、これ程の焼き物を生みだした国ですから、必ずやこの試練を乗り越え「平和への道」を日本と共に歩み出せると信じています。
両国共に間違っても一時の感情に流されてはいけません!
ちょっと遅い「正月」
以前は、正月には親戚の家に一族郎党が集まりちょっとした酒宴で盛り上がったものでした。
そんなにお酒が飲めない私も、正月に限っては勧められるお酒を無下に断る事も出来ず、当日は「飲まねばなるまい」と腹をくくったものでした。
宴が終わると「飲み過ぎて頭が痛い・・・」と家内に愚痴っていたものですが、尽きるところ苦手な酒宴の席も、何時の頃からか心待ちにしていたものです。
年に一度の親戚が集まる場ですので「飲まねばなるまい」といった諦もあったようですが・・・
そんな親戚も一人欠け、二人欠けと少しずつ寂しくなってきました。
私が高齢者ですので母は90歳を越えています。元気な叔父さん叔母さんも押し並べて70~80歳代ですので、さすがに酒量も減ってきています。
なにより、「集まろか」という言いだしっぺも居なくなってきましたので、ここ数年は正月といえども家族だけで過ごしています。
しかし、先日義母が「正月以降〇〇さんから何回も電話があった」「会いたいのかな?」と日頃元気な叔父さんが寂しがっているのでは?といったような話を家内としていました。
叔父さんは一人者、会社に勤めていた頃の友人と何時もゴルフに行ってきたという話を聞いていましたので、あまり気にしていなかったのですが、「もう80歳」「ゴルフも止めた」「(家の中で)一人で倒れたら思うと夜も眠れない」・・・
どうしても他人事とは思えません。私も「布団の中で一人で死んでいたら・・・」といった気持が分かる歳になりました。
「あの時呼んであげていたら・・・」となったら大変です。
そんなこんなで、明日は叔父さんを呼んでの遅い正月です。
久し振りに「飲まなければ」と腹をくくっています。
叱られるのを覚悟で、運転免許の返上なんか話題にしようかな・・・
叔父さんも歳!明日だけは体力の弱っている事を祈るのみです。
「サクッ サクッ」と冬の音
今朝は少し冷え込みましたが、外でしかオシッコをしない犬共が居ますので、何があろうと散歩は必須です。
寒い時には、ネックウォーマーと手袋で万全の防寒対策をして散歩に出掛けます。(ネックウォーマーは最近覚えました。)
途中で新聞を買って公園に回り、ベンチで一服というのが日課ですが、1時間余りかかりますので寒い日は応えます。
こいつらが居なければ暖かい部屋でゆっくり出来るのに!
思ってもせん無い事ですが、感謝の気持ちが微塵も無いワンコ2匹を見ていると、ついつい愚痴ってしまいます。
公園のベンチに座りながら煙草をゆっくり吸いましたが、寒い日は一本吸えば身体が冷えてしまいます。
これから2月にかけて、寒さが本格的になってくると、「使い捨てカイロ」なんかも要るかな?歳のせいか弱気になってしまいます。
公園の樹々はすっかり葉が落ちて裸状態、枝の間を寒風が抜けていきます。足元には落ち葉が所狭しと、まるで絨毯のように散らばっています。
場所によって落ち葉の絨毯は厚くなって重なっていますが、そこを歩くと「サクッ サクッ」と音がして冬を感じさせてくれます。
これらの落ち葉は、昔は全て肥料となり、自然の糧となっていましたが、街の公園では回収され焼却されています。
水路が詰まり公園が汚くなってしまいますので仕方がありませんが、本当は虫の餌や植物の肥料になっていって欲しい気がチョッピリしてしまいます。
街に住んでいると、落ち葉を踏みしめるという事は非日常!
歩いていると楽しく、心が躍ってきます。
ワンコも落ち葉の上が好きなようで、楽しく臭いを嗅ぎながら、私と同じように「ルン ルン」気分のようです。(少しは感謝しろ!)
公園のベンチから緑道までの短い距離ですが、冬ならではの愉しい一時でした。
近くに緑豊かな公園があるのは有り難い事です。
明日も「サクッ サクッ」という冬の音が楽しみです!
「今年の10大リスク」
国際政治学者のイアン・ブレマー氏が率いるアメリカの調査会社「ユーラシア・グループ」は、今年も年頭に1年間の政治や経済に大きな影響を与えそうな事象を予測しています。
今年の首位は、「悪い種」との表現を使い、「トランプ政権のもとで深刻化する民主的な統治機構の衰え、EUへの懐疑論が強まるヨーロッパ、アメリカの同盟関係の弱体化、各国で広がるポピュリズムやナショナリズム」とし、2位以下は「米中関係」、「激化するサイバー戦争」、「ヨーロッパのポピュリズム」、「アメリカの内憂」、「イノベーション冬の時代」、「非有志連合」、「メキシコ」、「ウクライナ」、「ナイジェリア」と続いています。
アメリカという立場での分析ですが、多くの項目は他人事では無く、大なり小なり日本にも影響を及ぼす深刻な問題です。
1位のリスクは、「世界の指導者が目先の問題に明け暮れているうちに、悪い種が芽を出して重大な結果をもたらしかねない」と「悪い種」という表現を使い警告しています。
トランプ大統領が米国内の分断を政治的に利用する事により、民主主義の正統性が損なわれているとしながら、米中関係や欧州連合(EU)及び中東など他の国も崩壊のリスクを抱えており、「今後数年で世界の地政学的な危険が顕在化する」と誠に厳しい予測をしています。
私自身も、世界は大きな大戦を教訓に、今まで「平和」や「正義」が具現化する社会に向かっているような希望を持っていました。
しかし、今日の国内外の動向は「世界は良い方向に進んで行く」という事が間違いであったのかと思わせる事象が次から次へと起こっているような気がしてなりません。
「米中関係」にしても、一歩判断(対応)を間違えれば取り返しのつかない事態に発展する危険性を孕んでいます。
心配なのは、米国が「アメリカ第一主義(アメリカファースト)」、中国が「覇権主義」を外交や軍事の面で強く推し進めた場合、両国の緊張は高まるばかりと思われる事です。
ヨーロッパにおけるポピュリズムの高まりも、結果として国内の分断、引いてはEUの弱体化という事態に及んでいます。
他を思いやる心を基調として世界は地域的にも纏まっていくべきですが、残念ながら「離散」してくようなニュースばかりです。
次に飛び込んでくる大ニュースは、混乱のニュースで無く、明るい希望の持てるものとなることを祈るのみです。